どうやって情報を伝えたら?16342人の調査からわかったポジティブ?ネガティブ?どちらを使えばいいの?

今回は健康情報のフレーズについて。


このブログは、医学と健康に関して後悔しないような選択肢をとってもらうために、 科学的根拠の高い論文などを紹介し、それをどう使っていくべきなのか?を私が解説・提案していくブログです。 メールアドレスでの登録も宜しくお願い致します。

健康情報を発信している1人としては、この情報はありがたいもの。

フレーズって結構困りものですよね?

私のようにネットに垂れ流す情報もそうなのですが、
対面している患者に声を掛ける際もどのような言い回しだと良いのか?

相手のことを考えて?
情報の正確さを重要視して?
自分の保身のため?

色々と巡ってくる考えの中、科学的研究から得られた根拠ある情報をお伝えします。


研究の内容は?


コクランレビューが出典元になります。

研究者たちは16,342人の参加者(すべての健康消費者)を含む35の研究を含み、
51の比較を報告した。

属性フレーミングの文脈では、ある参加研究の参加者は、肯定的にフレーミングされたときよりも否定的にフレーミングされたときのほうがメッセージを理解しやすいという傾向にあった。
(1研究; SMD -0.58(95%信頼区間(CI)-0.94〜-0.22);中程度)効果の大きさ、低品質の証拠)

ポジティブフレームメッセージはネガフレームメッセージよりも効果的であると認識しているかもしれませんが、ほとんど違いはありませんでした。

説得力と行動にも違いは見られません。

ゴールフレーミングの文脈では、メッセージをスクリーニングするためのメッセージを得ることと比較して、損失メッセージは有効性のより積極的な認識をもたらしました。
(5つの研究; SMD -0.30(95%CI -0.49から-0.10);小さな効果サイズ;中程度の品質証拠)

そして治療メッセージについてより説得力があるかもしれません。
(3つの研究; SMD -0.50(95%CI -1.04〜0.04);中程度の効果の大きさ;非常に低い質の証拠)

行動にはほとんどまたは全く違いはありませんでした(16の研究; SMD -0.06(95%CI -0.15〜0.03);質の低い証拠)。

Akl EA、Oxman AD、Herrin J、Vist GE、Terrenato I、Sperati F、Costiniuk C、Blank D、健康情報メッセージのフレーミング。系統的レビューのコクランデータベース2011年第12号。番号:CD006777。DOI:10.1002 / 14651858.CD006777.pub2。


結論は?

結果的にはポジティブ、ネガティブメッセージで伝えても説得力や行動、理解力に影響を与えるという確たる根拠はこの研究からでは得ることができなかったようです。

この研究の内容で出てくる属性フレーミングとは、「ポジティブ、ネガティブな表現を使ったフレーズ」と捉えていただければイメージしやすいかと。

ゴールフレーミングとは、「治療をこのように薦めたいけどどのように表現すれば?」
という時に表現するフレーズと思って頂いても大体当っているはずです。

自己啓発セミナーや交流会が好きな、自称社交的な方が言うにはポジティブメッセージで言え!と言われたことがありました。

これは心理学的にそのように言った方が良いとされているので、
そういった方々が良い、悪いという話ではないのです。

そういう考え方もあるよな。ってぐらいに留めていてください。


例えば


「あなたに癌があることがわかりました。2/3の可能性で生存できます。」


「あなたに癌があることがわかりました。このままだと1/3の可能性で死亡します。」

この2通りで伝えられた場合、人によって捉え方はそれぞれですし好みもあるかと思われます。

あくまでも癌という進行性の病で命に係わる重大な決断を迫られている時には、
どちらで言われる方が選択に慎重になれるでしょうか?

次にそうなる前の検査をするために

「 がんのスクリーニング検査を受けてください。受けるとアナタの生存期間が延長されることが・・・」



「がんのスクリーニング検査を受けてください。受けないとアナタはがんの発見が遅れてしまうかも・・・」

まぁこんな風に言ってくる人はいないと思いますが、
どちらの言い方だと行動、理解に繋がりやすいか?と考えていただくと
この研究結果で示唆されている否定的な方が理解しやすくなる。

という結論も一理わかるかと思われます。

但し、何か不適切な発言によって簡単に訴えられたり、
今まで築いてきたキャリアが水のように流れ去ってしまう世の中では、伝え方が非常に難しいところ。

発信側の責任もあれば、受け取りての理解力も必要なのですが。

使いようが難しいと思われますので、医療従事者でこれらを使ってみようとする場合は一度同僚などで練習されてみた方が良いかもしれません。

それか心理学的こういった研究達もあるので、
それらを踏まえたうえでこの結果も併せて使ってみることも良いかも知れません。

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