運動選手が抱えやすい鼠径部痛に対する手術以外の治療成果は?

今回は非外科的な方法による鼠径部痛の治療について

鼠径部痛、股関節周辺の痛みに対する方法についてですが、
運動をしているとそれに悩まされることもあります。

外科的な方法が適応されることもありますが、
運動の中止など選手にとっては思わしくないこともあるため、
非外科的な方法が選択されることがしばしばです。

それらの方法について、最も良い方法を研究している論文の結論を紹介します。


研究の内容は?

内転筋関連の鼠径部痛を少なくとも2ヶ月間経験した合計122人の参加者を含む2つの研究が含む。
参加者の1人を除き、18歳から50歳の男性アスリート。

ある1つの研究は、治療意図分析に基づいて、
「従来の」理学療法(ストレッチ運動、電気療法と横断摩擦マッサージ)を16週間の追跡調査での治療成功としていた。
(25/34(74%)対10/34(29%);リスク比(RR)2.50、95%CI 1.43〜4.37、P = 0.001)

同様に、運動療法によって治療された運動選手のうち、追跡運動の治療を受けた運動選手の方が有意に同じレベルでスポーツに戻った。
(23/29(79%)対4/30(13%); RR 5.95、95%CI 2.34〜15.09、P = 0.0002)

2番目の研究(54人の参加者)は、成功の転帰について、16週間の追跡調査でマルチモーダル治療(熱、手動療法、ストレッチ)と運動療法(上記研究と同じ介入)の間に有意差がないことを発見しました。
(14/26(54%)対12/22(55%); RR 0.99、95%CI 0.59〜1.66、P = 0.96)

スポーツを復帰した人は、運動療法群に比べてマルチモーダル療法を受けてから平均4.5週間早く戻ってきました。
(平均差-4.50週、95%CI -8.60〜-0.40、P = 0.03)
この研究では、どちらの介入群にも合併症や副作用は見られなかったと報告されています。


結論は?

無作為化試験から得られた証拠は、運動関連の鼠径部疼痛を治療するための特定の保守的治療法について助言するには不十分です。質はまだ低いものの、運動療法(股関節および腹筋の強化)が受動的なモダリティからなる理学療法と比較して短期間の転帰(主に疼痛対策に基づく)およびスポーツへの復帰を改善することを見出した1つの試験からの最良の証拠。含まれている両方の試験から入手可能な証拠の質が低いことを考えると、それらの知見を強化するためにさらに無作為化試験が必要です。


まとめ 

内転筋などの筋肉が原因と思われる鼠径部痛に対しての治療法の効果については、
レビューアが述べている通り効果のほどを裏付ける証拠は無いということです。

では、何で置き換えた方法を検討すれば?ということに関しては確証たる結論は出ていませんが、証拠がないからと理学療法などを排除する必要はないのかと思われます。

そこで、実際に治療を検討することであれば、組み合わせて行うことが良いのかもしれません。

Almeida MO、Silva BNG、Andriolo RB、Atallah N、Peccin MS。運動関連の筋腱、靱帯、骨鼠径部の痛みを治療するための保守的な介入。系統的レビューのコクランデータベース2013年第6号。番号:CD009565。DOI:10.1002 / 14651858.CD009565.pub2。