【鍼治療】高血圧を治療だけで下げることができるのか?

漢方薬理論によれば、鍼治療は血圧を下げる可能性があるため、その成否を問う研究があったので紹介します。


今回紹介する論文は原発性高血圧症の成人の血圧降下に対する鍼治療の有効性と安全性を評価することが目的とされているものです。


研究の内容は

・22件のRCTから1744人を対象。

・RCTは方法論の質が様々であったためバイアスのリスクがある

・鍼治療の持続的な血圧降下作用についての証拠はありませんでした。

・1つの試験だけが持続的効果を調査し、鍼治療後3ヶ月と6ヶ月で血圧降下効果を認めなかった。

・4つの模擬鍼治療試験では、鍼治療がSBP(変化)-3.4 mmHg(-6.0〜-0.9)
およびDBP -1.9 mmHg(95%CI -3.6)に短期間(1〜24時間)の影響を及ぼしたという非常に質の低い証拠が得られました-。

・鍼治療とアンジオテンシン変換酵素阻害薬を比較した8件の試験も行った。
・鍼治療とカルシウム拮抗薬を比較した7件の試験のプール解析を行った。

これらから鍼治療は降圧薬より短期間の血圧を低下させることが示唆された。

レビューアからのコメントです。


現在のところ、慢性的に上昇した血圧の管理に必要な鍼治療の持続的血圧低下効果についての証拠はありません。鍼治療の短期的な影響は非常に質の低い証拠のために不確実です。非偽の鍼治療対照試験で示されたより大きな効果は、おそらくバイアスを反映しており、本当の効果ではありません。将来のRCTは偽の鍼治療を使用し、少なくとも7日間持続する鍼治療の血圧降下効果があるかどうかを評価しなければなりません。

まとめ

対象になった原発性高血圧は原因不明とされる一次性の高血圧のことです。

続発性高血圧(二次性)ならば原因となる疾患があるため、原因のプロセスの中に鍼治療で対応できそうな場合もあるのかも?と考えていました。

バイアスが邪魔しやすい鍼治療の研究ですが、
短期的に降圧薬よりも効果はあったようなので、
今後の研究結果によっては覆ってくれる内容かと思われます。

ヤンJ、陳J、ヤンM、ゆうS、英L、劉GJ、Ren YL、ライトJM、梁FR。高血圧症に対する鍼治療 系統的レビューのコクランデータベース2018年、第11号。番号:CD008821。DOI:10.1002 / 14651858.CD008821.pub2。