医療従事者がやりがちなこと。リハビリ時に関節や筋肉にアプローチしても、心理面や社会面はサポートしていない件

今回紹介するのは、腰痛と理学療法士について研究された内容を紹介します。



腰痛を患って病院に通うと、リハビリを実施されることがしばしばです。

リハビリを受けてみて、どう感じたかは千差万別な感想を聞いたことがあります。

「やってもらってよかった!」

「リハビリが無かったら今こうやって歩けていない!」


後は、

「リハビリを頑張っても辛くて続かなかったよ」

「リハビリをやってる意味がわからなくなった、だって何も変わらなかったから」


など。


決して、理学療法士を叩く内容ではないのですが、
こういった考えを持っていると患者さんは腰痛の回復が順調にできなかったですよ~という事実を考察している論文を紹介します。


どんな内容に?


現状発表されているLBP(腰痛)治療のガイドラインは、
心理社会的管理アプローチを行うことが推奨されています。

しかし、理学療法士は他の医療関係の専門家にも共通する、生物医学的教育を受けています。

運動パターンや筋肉の緊張など、座りがちな行動や生活習慣の改善は何十年もの間、
理学療法士がトレーニングする時の焦点とされていました。

しかし、認知的、心理的および社会的要因の考慮をLBP治療の管理に取り入れる必要性は、ここ近年では必須とされており理学療法士だけではなく、
全医療従事者に必須なことと言われています。

理学療法士として、教育を受けてきた人は他の医療関係者と比較して、
根拠に基づいた疼痛に対する管理や信念を持っていることがわかっています。

そして、社会的側面を重要とした治療計画を意識する教育は施されていますが、
そのような学習が患者管理と転帰を変えるために、
必要なスキルをそれらに十分に備えているかどうかは不明であります。

研究の内容は?

研究は、9件の研究はヨーロッパ、2件はオーストラリア、1件はカナダで行われ、
大多数は2004年から2013年の間に行われていた理学療法の設定で行われました。

12の研究で合計182人の参加者がインタビューを受けました。

この中から得られた結果の中に、



腰痛に関して、単純で機械的な説明をします。
その時点で患者さんは理解を得られていないかもしれないのに。

 理学療法士は、説明したことに理解が得られなかったりすることが、
「うまくいかない」ことを恐れて、認知的、心理的および社会的要因が痛みの提示に与える影響について患者と話し合うことについて懸念を表明していました。

結果として、理学療法士は、患者が自分自身の痛みに関連する特定の認知的、心理的または社会的要因を持ち出し、理学療法士をこの責任から解放し、
それが「うまくいかない」という恐れからそれを好んだ。


つまりは、私はこれだけやってるのだけど?
それでも痛みが無くならないのは○○さんの普段からの行動や考え方が駄目だからですよ。


ふむふむ、ありがちな会話ですね(あっちゃダメなのですが)

但し、冷静になって考えていただくと心理的側面まで管理するとなると、
理学療法士さんたちは業務が疎かになってしまいそうですね。

いくら教育が施されていたとしても、心理的側面よりも関節や筋肉などの身体的側面が重要と考えられていると、疎かになってしまうと考えてしまいそうです。


そしてこの意見には、

理学療法士の中には、これらの分野における専門知識の欠如がどれほど深刻であるかを説明していました。

彼らを治療することができなかったので、それらについて尋ねることすら意味がない。
さらに、これらの要因がLBPにおいて重要であることを認識した理学療法士の間でさえ、成功したインプットを得るための知識またはスキルを備えていないため、
それらの管理は彼らの職業的役割および実践の範囲を超えていると考えた。

この意見は専門職の関与を持つことから、
自分達の職業を免除するような方法でしか対応できないと説明されました。

その結果、認知的、心理的および社会的要因を示す患者を治療する責任は、
他の医療専門家にしばしば移されます。

私たち、失敗する人(理学療法専門職)ではあり得ない、
そしてそれを非難することはできません。


ふむふむ。


この論文でだされた結論としては、
理学療法士の中には、これらの要因の重要性を回復への重要な障壁として認識しているものもありますが、ほとんどの人はLBPの機械的側面の扱いを好みます。

多くの理学療法士は、LBPのこれらの側面を治療するのには準備が不十分だと感じています。

理学療法士は、これらの要因を特定するためのスクリーニングツールを使用することや、これらの要因を患者と話し合い管理するのを助けるためのトレーニングから恩恵を受けることができます。


Aoife Synnott aMary O'Keeffe aSamantha Bunzli bWim Dankaerts cPeter O'Sullivan bKieran O'Sullivan a













まとめ



この論文から学ばないといけないと自分に言い聞かせていますのは、

「患者さんの症状を治すのではなく、抱えている問題と向き合う」

ということなのでしょう。

腰痛を治せば、はい!おしまい!ということだと、論文にも書かれていた認知的や心理的側面で寄り添っていないことになるのかと。


確かに腰痛という痛みがあって頼ってはくれていますが、
痛みをとるだけでしたらお薬でいいですもんね。


敢えて「時間」を作ってもらって解決してほしいということは、
腰痛の先の問題も聞いてほしい、痛みがあってこんなことに困っていることを理解してほしいという思いの方が強いのかと思います。


通常の医療従事者の多くは、自分がしてもらって凄く良くしてもらったからそれで目指しました!という人が多いのですが、
私は、病院そのものが苦手だったので、最低限(健康診断)でしか行かない人です。

ですので、良くしてもらって目指したというエピソードがないため、
今回得られた論文での結論!というよりは考察に近いものです。

症状ではなく、患者さんが困っていることを改善するサポートができる臨床家に!