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【ガイドライン】医療従事者なら知っている腰椎椎間板ヘルニア

2011年に発刊されているガイドラインの内容をまとめたものです。

疫学


・有病率、性差、好発年齢、好発高位とは
→好発年齢は20~40歳代、好発高位はL4/5、L5/S1間、男女比は2~3:1です。

・環境因子
→職業やスポーツなどの関連が発生要因として考えられているが
 統計学的には答えはない。

病態


・高齢者と青壮年での違いは?
→高齢者ではヘルニアのタイプが脱出型が多くなり、理学検査の陽性率も下がる。
 組織学的には、比較して繊維輪や椎体終板の断片を含んでいることが多いとされる。

・若年性と青壮年での違いは?
→理学検査で強陽性を示すことがあり、組織学的に椎体骨端核の難解を伴っている
 症例もしばしば。若年性ヘルニアの発症には椎間関節の非対称性が関与する可能性もある。

・ヘルニアの大きさと症状の程度は?
→ヘルニアの大きさは下肢痛や神経症状と相関する、あるいは一致しないとも言われている。

・ヘルニアの退縮機序
→無機質な椎間板に血管新生によって炎症が惹起され、サイトカインの作用で酵素が
 誘導されて、腰椎椎間板ヘルニアを分解する。

・発症と遺伝の相関は?
→遺伝背景も関与するとは言われている。タイプⅨ、ⅪコラーゲンやCILP、ビタミンD
 受容体の遺伝子多型性の関与が報告はされているが、人種による差はあるようです。

診断


・問診
→下肢痛の部位や分布領域を把握することが重要。
 病歴・理学検査、MRI上の神経根圧迫が一致するかを調べている研究があり、
 それらから、疼痛の発現部位と分布領域の把握のみが有用であるとされた。

・理学所見・神経所見
→SLRテストは有用な検査であるが、神経学的所見として特徴的なものはありません。
 腰椎椎間板ヘルニアでは、筋力低下や知覚鈍麻、深部腱反射低下などの症状も呈するが、
 それらが診断と一致しないという研究結果もある。

・X線での診断
→単純X線写真で腰椎椎間板ヘルニアの描出は不可能。
 但し、腫瘍などの他の疾病との鑑別のため撮影は必要とされている。

・MRIでの診断
→最も有用とされている方法である。
 無症候ヘルニアが存在するため解釈には注意がいる。

・造影剤、神経根造影、電気生理学的検査は必ずしも必要とはされていない。

治療

・硬膜外副腎皮質ステロイド薬注入療法は有効か?
→保存的療法の一つとして選択され、治療開始早期での疼痛軽減の可能性はある。

・SpinalManipulationは有効か?
→有効か否かを判定した十分な科学的根拠はない。

・非副腎皮質ステロイド性抗炎症薬は有効か?
→有効であり、筋緊張弛緩薬と併用する場合が多い。単独使用での研究はない。

・牽引療法は有効か?
→治療効果について十分に示した研究はない。腰痛に対しては有効であるとは言われている。
 症例報告上では無効とされている回答が多かったが、牽引力が小さい場合に有効と
 回答されることが目立っていた。

・手術療法での術式の違い
→ ヘルニア摘出手術 > 椎間板内酸素注入療法 > 経皮的髄核摘出術 
 
 レーザー椎間板蒸散法=経皮的髄核摘出術とされているが、レーザーは隣接組織の副作用、
 合併症が多い、健康保険適用外の点から推奨されていない。

・早期手術の判断
→重症の馬尾症候群では早期に手術することが望ましい。
 ※感覚・運動障害、下肢感覚障害、膀胱直腸障害などのこと。

・若年性ヘルニアの手術は?
→椎間板切除術の長期成績は良好なため、保存療法に抵抗する症例では摘出術の適応となる。

予後

・どの程度の患者が手術にいたるか?
→多くの症例が自然経過あるいは保存療法だけで改善を示すのですが、
 米国では10万人中50~70人が手術に至る統計がある。
 質の高いRCTが無いそうですが、保存療法を徹底的にやっても耐えがたい疼痛の
 場合に選択されることが多いようです。

・保存療法と手術的治療の差は?
→臨床症状に関しては手術的治療の方が、長期的にも良好な成績を示すが
 10年後にその差は減少する。

・再発率、再手術率
→ヘルニア摘出後の再手術率は5年後で4~15%

腰椎椎間板ヘルニアの症状を疑う患者様は何人も診てきましたが、
個人的に驚いたのは、診断の項目でのX線の扱いについてです。
たまたまなのでしょうが、担当した患者様はMRIを撮らずX線だけで
ヘルニアと診断されていたので、ガイドライン上と現場では差があるのでしょうかね。