【ガイドライン】医療従事者なら知っておくべき腰部脊柱管狭窄症の定義について

2011年に発表されているガイドラインにある定義を抜粋して紹介します。



腰部脊柱管狭窄症とは何か

→現状定義付けについて完全な結論はない。

・2006~2008年の間に発表された無作為化対照試験における患者選択基準にも
大きなバラつきが見れらることからこう言われている。

「患者は歩行や立位において、馬尾障害、下肢の両側性の根性痛、
 感覚障害・筋力低下を示す。臥位になると症状は消失し、安静時における神経学所見は
 異常がない。これらによって血管性の間欠性跛行と誤解される。」
                               Verbiest氏
 
「脊柱管、神経根管椎間孔における部分的・分節的・全体的な狭小化であり、
 骨、軟部組織によるもの、骨性の管、硬膜管のみ、あるいは両方が狭小化しているもの」
                               Arnoldi氏

そして日本脊椎脊髄病学会では

「脊柱管を構成する骨性要素や椎間板、靭帯性要素などにより、脊柱管や椎間孔の
 狭小化がおき、馬尾、神経根の絞扼性障害をきたして症状の発現がある。
 特有な症状として、下肢のしびれ、馬尾性間欠跛行が出現する」
とあります。

さらにNASSのガイドラインでは

「腰椎において神経組織と血管のスペースが減少し、腰痛の有無は問わず臀部痛や
 下肢痛が見られる症候群と定義する。腰部脊柱管狭窄症の特徴は関与する因子に
 よって症状が増悪・軽快し、運動や特定の体位により神経性跛行が惹起される。
 前屈位や座位、安静臥床時に症状が軽快することが多い」
NASSの神経性跛行という表現が、他の神経性間欠跛行と違っているのは
特定の姿勢で下肢症状がでたり、歩行によって症状が出るけど歩き続けられる患者が
いるため、と推測されています。

病理学的な変化や成因が完全には解明されていない現状ですが、
腰椎部の脊柱管、椎間孔の狭小化によって、神経組織の障害あるいは血流の障害から
症状を呈するもの。という共通点はあります。

神経所見も発現部位によって触診や画像診断なども変わってくることがあるので
それぞれの考えで神経所見が異なっている事実に驚きました。

診断する人間の知識が何処にあるかによって、この症状の診断がなされたり
別の症状で判断されたりする状況にはあるようです。

自然経過について

軽度あるいは中等症患者の1/3ないし1/2では自然経過でも良好な予後が期待できる。
また、神経機能が急激に悪化することは稀である。
そして、重症の場合は手術に移行することが多い。

以上。