【ガイドライン】線筋痛症のことを理解するなら

2017年に発表されたガイドラインを判りやすく見やすく大事な点を抜粋しています。

線筋痛症のことを知り、症状に困っている人に共感、また症状に罹ってしまう時の備えの知識を身につけましょう。

疫学

線筋痛症は日本の人口1.7%の人に発症しています。
適正に診療できる医師、医療機関は少ない。

症状は原因不明の身体の広範囲に慢性的な疼痛、全身性のこわばりが主。

男女比は1:4.8と女性に発症することが多い。
推定発症年齢は43.8±16.3歳
 
生命予後に関しては1年間の観察で0.4%の死亡率の報告がある。

臨床徴候

※出現率の高いものだけをピックアップ

全身痛 91.7% 右半身の痛み 91.4% 疲労 90.9% 右上半身の痛み 89.9%

※米国人の場合は、睡眠障害が89.1%

診断

米国リウマチ学会分類基準などを駆使し診断する。
1,広範囲にわたる疼痛の病歴
2,触診により、18か所の圧痛点のうち11か所に疼痛を認める。

判定は3か月以上広範囲の疼痛が持続し、1,2,と基準を満たしている場合。

生活指導


1,悪化要因 → 喫煙、肥満、心身の強いストレス
2,改善要因 → 有酸素運動、徐呼吸、禅・ヨガ・瞑想、温熱療法、冷却療法、音楽療法
        適度なアルコール

※米国人が対象にされた中程度のエビデンスレベルな情報

薬物療法について

ヨーロッパのリウマチ学会によりチャートが作成されており、
薬物療法に至るケースは、激痛や睡眠障害が確認されている場合にのみ。

激痛 → デュロキセチン、プレガバリンなど
睡眠障害 → 低用量アミトリプチリン、シクロベザブリンなど

神経障害が合併されているとエビデンスレベルの高い研究結果によれば、
線維筋痛症に対する薬物療法の選択肢としてプレガバリンは強い推奨レベルと
されている。
(ヨーロッパリウマチ学会によると)

うつ症状が発症されている場合は、デュロキセチンを選択するように
強く推奨されている。

非ステロイド系抗炎症薬は線維筋痛症に対しての有用性は
エビデンスレベルからすると推奨されていない。
但し、併発する関節リウマチなどには使用することはある。

漢方薬もエビデンスレベルが低いことから推奨されていない。

神経ブロック、トリガー治療も同様にエビデンスレベルの低さから推奨していない。

代替え医療の場合


鍼治療は論文のサンプルサイズなどに問題はあるが、治療の一つとして選択される。
但し、温泉や太極拳、ヨガ、気功などは鍼治療の選択の次に取られるぐらいの
根拠性しか示されていない。

私が介入するなら手技療法なのですが、マッサージでは睡眠の質が緩和できるぐらいな
エビデンスしかないため、治療の補助ぐらいにしかなりませんね。

運動療法は?


高いレベルのエビデンスから運動療法は推奨される。
その場合に水中・陸上における運動の違いは明らかな差はありません。

そして認知行動療法も推奨されており、長期の追跡調査では痛み、抑うつ、障害の軽減に、
わずかながらも有意差が認められている。


以上が疫学、概要、診断、治療についてになります。
線維筋痛症はその症状から辛さが伝わりにくいことや、
社会的理解も低いことから、発症すると治療が困難であると言われています。

但し、現段階でも有用な治療方法はありますし、
診断基準もあることから、症状の緩和で生活の質を変えることはできそうです。

その時のために是非これらを知っていてください。