【ガイドライン】医療従事者なら知っている大腿骨近位部骨折について

今回は大腿骨の頚部骨折について

ガイドライン上から抜粋した内容を紹介します。

分類

・関節包内骨折(頚部骨折)
・関節包外骨折(転子部骨折)

それぞれが骨折の癒合率、骨壊死率などが関係してくるため手術や治療法が異なってくる。

不全、完全骨折、回旋転位やstageなどここから細かく分類に分けられるが、
ここでは割愛します。

疫学

2007年の調査では年間に15万例が確認されています。

70歳を過ぎると急増し、男性よりも女性に多く見られます。

そして、骨折型の発生率は頚部骨折より転子部骨折の発生率が1.7倍多いというデータもあります。

CQ

・骨密度が低下すると発症率が高まる。

・骨密度の測定は大腿骨近位部を測定することが良い。

・脆弱性骨折の既往は危険因子である。

・骨代謝マーカーが高値だと危険因子である。

・血清ビタミンAの低値、高値は危険因子である。
 ※他にビタミンDとエストラジオール値の高低はあるが、根拠性が高いのはビタミンA

・骨と関連しない原因として、「転倒」が最も多い。

・転倒以外の要因としては、
「喫煙」「向精神薬」「加齢」「低体重」「未出産」ということも挙げられる。


・予防として薬物療法の有用性は高い。
 アレンドロネート、リセドロネートと成果のよい薬物があるが、
 ビタミンD単独では成果のないエビデンスもある。

・運動療法は「転倒予防」に有用であるが、「骨折の予防」になるかは確認されていない。

・ヒッププロテクターの装着は大腿骨頚部骨折の予防に有用である。

診断

転倒して骨折していたとしても、歩行してくる例もあるため確実な診断には画像診断が行われる。

X線では見えない例もあるため、CTやMRI、骨シンチグラフィーの使用も検討される。

とはいえ、X線の診断有用性は9割は超えている。
骨折線が確認できるのか?という点で、他の画像検査が行われます。

理学検査など有用性のある情報がないため、臨床症状と既往歴を確認し疑われる場合は画像診断が行える専門の機関への受診が好ましい。

また、近接部位で骨盤骨折との鑑別が必要になってくるが、CT検査で発見できる。

まとめ

日本では高齢者が増加している傾向にありますので、医療従事者はこの症状に出くわすこと機会が常にあると考えられます。

しかし、歩行してこられたりするため、しっかりと見極めないと場合によっては骨壊死など治療が困難になる状況を見逃すことになります。

とはいえ、有用性の高い診断は画像検査ということですので、可能性がある際は専門機関への申し送りが必要になってきます。