【治療の選択】医療従事者が陥りやすい?医療従事者と患者の治療方法の好みの有用性は?

今回は患者が治療選択をした場合の転帰について

紹介する論文は「変形性膝関節症」の一般的な治療法である理学療法と鍼治療の選択について、医療提供者と患者が好む治療を選択した場合に、良い結果となるのか?というもの。

これってよくある話なのですが、患者自身は冷静に判断出来ているようで、判断する項目の不透明性が多ければ多いほど選び辛くなってきます。

そうなってくると、期間と金額などの明確なものを判断材料にするしかありませんが、
実際はどれほどの効果期待値なのか?副作用は?どれぐらいの期間がかかるものなのか?

という予測値を医療提供者と話し合う必要はあります。

それでも尚選択した方法は後悔なく前向きに行えるかもしれませんが、
今回紹介する論文のようなケースではどうでしょう?

研究内容

・研究に参加したのは352名、709名にアンケートを聴取した。
 回答率は低く、30%程。

 治療方法の好みについて報告してもらった。

・介入は理学療法と鍼治療。

・理学療法士の2/3は10年以上のキャリアがあり、3年以上のキャリアのある鍼灸師が担当した。

・評価は治療の期待値、痛み、改善などを比較し、本治療とプラセボを比較した。

結論


患者の治療の好みまたは期待と痛みの軽減との関係の証拠は見つかりませんでした。膝痛患者の一般的および治療固有の期待は、運動と鍼治療の床結果に関連しているという二次的な結果を伴う弱い証拠が見つかりました試験内の個々の患者に対する開業医の好みと期待を考慮しても、結果のさらなる説明は追加されませんでした。

まとめ 

この治療なら治るだろう。という期待を持った状態で治療を受ける。
これが患者のみ、患者と医療従事者と共有していても有益性のあるデータは得られていません。

フォローアップは6か月と12ヶ月という期間で行われています。

これらの結果から必要なのは、医療従事者が提供する治療方法に絶対の自信があると、
それに対する思い込みなどに捉われ、患者の利益となることはないということ。

とはいえ、提供するものに自信がなければならないですが、
1つのプランだけではなく多角的方面での提供も検討するべきとのことが、
論文の著者よりコメントされています。

日本の場合は総合的に診るというよりは、専門性の高い人に診てもらう流れがあります。

しかし、専門外になるとまるで知識がなく、自分の専門の中だけで対処してしまうという事象が、少しずつですが症例報告として上がっています。

私の場合は、柔道整復師という立場上、対応できない疾患の方が全体の中では多いため、
こういったバイアスには陥りにくいです。

しかし、そうならないような注意も必要なこと常に考えられるので、
診断は出来ませんが、疾患の判断は常に変化すると考えています。

患者側としては、絶対に治す。と言い切る人の方が安心しやすい。と思われていますが、
真実はそうでないのかもしれません。


https://doi.org/10.1016/j.ejpain.2009.06.010